昨年2024年度の「人手不足倒産」件数が289件で、過去最高となりました(商工リサーチ調べによる)
この数字は残念ながら、今後も増えていくと思われます。
なぜなら、2020年をピークに日本の労働人口は減少傾向が始まり、
現在の出生率を考えてもその傾向は続くからです。
2030年問題とも言われていますが、2030年には300万人強が、
2040年には約1,100万人の不足が予想されています。
ちなみに、現在2025年の不足は約25万人、つまり今がこれでも最も採用しやすい、と言えます。
「採用できない」時代の戦略
このような時代背景を考えると、特に大手企業ではない中小、小規模企業での採用活動は
今よりさらに厳しくなるはずです。
となれば、それを踏まえた戦略が必要です。
採用できない、となればどうすればよいか。
それは「採用しない」ことです。
つまり「採用しなくてもいい」ように、しておくしかありません。
もちろん、退職者はどんな時にも必ず出るものですが、
致し方ない退職者以外の退職者が出ないよう、つまり今いる従業員やスタッフが辞めないように
定着率を高めることに注力すべきです。
会社の発展に伴う採用活動であれば、まだ可能性は高いですが、
埋め合わせの採用は、より困難になると思います。
それよりも今、働いてくれている人材に感謝し、
働きやすい環境を整備し、働きがいのある仕事をしてもらい、
個々の能力をフルに発揮してもらうために、会社として最善を尽くすことではないでしょうか。
働く人が「辞めたくない」と思う魅力ある会社、職場にすることが、
何より優先される経営課題だと思います。